堀文子先生89才の時の画文集です。装丁も素晴らしく凝っていて、美しいご本です。そして、先生の絵も、年令を重ねる程、瑞々しくなっています。女性らしく小さな所にも、筆先が及んでいます。そして、何より色彩の品格が高く、かつ優しいです。
文章も、日本女性の細やか目配りと凛とした佇まいがあります。そして、各所に、幼い少女ぽさの可愛らしい感性がみられて、ほっこりさせられます。
「うど」元の部分の薄紫の色合いは、女性らしくふんわりと美しいです。無花果の皮の紫は、剥いて食べたら、美味しそうです。
フシグロセンノウの花の色は、確かに微妙です。赤よりも朱なのでしょう。足の悪い母が見たがっていたのですが、探すと中々出会えません。大抵木立の茂みの薄暗い斜面になので、母には登れません。或る日、山中湖マウント・フジ・ホテルへの入り口斜面で見付けて、車で連れて行きました。とても、嬉しそうな笑顔でした。去年、八ヶ岳の山荘の手前の滝脇で出会いました。先生の書いている様に、群れては咲きません。それぞれが、ぽつんぽつんと離れて、暗い木陰咲いています。坊主達は、ゼンゼン無関心でした。
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