門仲ギャラリー 店主 ブラ歩き

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あらしのよるに  木村裕一作 あべ弘士絵 

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あらしのよるに、たったひとり、みしらぬところで、だれかに、であえたら、ほっとしますよね。でも、そのだれかが、こわーいあいてだったら・・・・

「あらしのよるに」真っ暗な山小屋に逃げ込んだ、可愛いシロヤギのメイと、オオカミのガブ。お互いに顔も姿も見えないけれど、とても気が合って、お友達になってしまいました。

ふいに、童話が懐かしくなることって、ありますよね。お母さんが謳ってくれた童謡、小学生の頃読んだ漫画。悲しいくらい愛おしい子供の時代の匂いがします。

この童話の主人公は、みそっかすオオカミのガブでしょう。ガブの心は揺れます。好きだけど、どうしようもない。食べたいけど食べられない。ガブは群れから狙われ、メイは仲間から疑われる。

ロミオとジュリエット? いや、ヤクザの健さんと純情可憐なお嬢様の恋です。ガブは、弱いけど、男の子。メイの為に命を捨てます。泣ける程の男の子。

私は、自分で第7巻を書きました。「みどりのくさはらで」メイは、ガブの名前を叫びながら、雪山を下りました。青々とした草原が続いています。「ガブー、ガブー」泣きながら呼びます。いくら呼んでも、返事がありません。草をたべてたウサギに聞きました。「ねぇ、オオカミさん見なかった?」「ここには、おっかないオオカミはいないさ。」「ガブは、おっかなくなんかないもん。」木の上で、クルミをかじっているリスにたずねました。「あのー、オオカミさんに会わなかった?」「ここには、おそろしいオオカミなんかいないさ。」「ガブは、おそろしくないもん。とっても、やさしいんだから。」

メイは、「ガブー、ガブー。」叫び続けます。声がかれて、息がとまりそう。おいしそうな草も、ぜんぜん、たべたくありません。ふらふらしながら、川辺におりました。もう立っていられません。へたりこんで、水にお鼻をつけても、のめません。目がボーッとしてきました。「ガブ・・」と、つぶやきます。きゅうにくらくなります。「あーぁ、もうだめ。」メイは、たおれました。

「メイ。ねぇ、メイおきて。こんなとこで、ねちゃぁ、だめだよ。」「えっ、ガブ?」「なだれに流されて、気がついてら、このかわらにいたんだ。メイが見えたんだけど、もう大きな声が出せなくなっちゃって‥‥。」ちょっと、はずかしそうに、ガブはわらいました。メイは、ガブにとびつきました。

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