垣根涼介の本を初めて読みました。波乱の室町時代の京を舞台に設定したのは、何でもありだからでしょう。道賢と兵衛が舞台回しの役柄ですが、二人のキャラと行動が、明確ではないです。一人の役を二つに分けた感です。主人公の吹き流しの才蔵も、余り魅力的な人物像にはなっていません。
池波正太郎の「剣客商売」秋山小兵衛と比べようもありませんし、佐伯泰英の酔いどれ小籐次が数倍、劇画的ですね。唯一遊女の芳王子は、男の望む女性像パターンですね。大体、男性作家の創る主人公の彼女は、作家自身の希望像です。
美人で可愛くて、頭が良くて優しい。「妻を娶らば、才たけて、見目麗しく情けある。」昔の寮歌のまんまですね。
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