”みをつくし”は、身近な料理を縦糸に、澪と野江を太い横糸にして、色とりどりの横糸にして、面白くドキドキの物語が進んでいきました。この”花だより”は、その始末記です。人気があったので、読者からの要望も多かったしょう。でも、何となく、乗っていませんね。やはり、作者が練って練って、仕上げた感がありません。
その点、”銀二貫”は、筋書きが面白く、小節も利いています。舞台が大阪に移って、土地勘が掴めず、読みながら迷子になりそうですが、大阪の商人気質が素晴らしいです。松吉と真帆との再会の場面では、眼がウルウルです。高田郁の作品の中でも、秀逸です。
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