弟殺しの罪に問われ、父イエスゲイの後の地位を望む者たちの魔手を逃れるテムジン。たった一人の従僕とゴビの砂漠を渡り、万里の長城を越える。ゴビの砂漠は、サハラ砂漠とは違って、石ころゴロゴロの荒涼たる大地です。砂あらしは、握り拳位の石が飛び交います。乗っているジープは、ロシア軍払い下げの厚鉄板製です。ガソリンを撒いているような燃費ですが、そうでないと保ちません。川を渡るのは、浅瀬を探して一気に突っ込みます。濁流にくるくる回りながら、タイヤが時々川底を蹴って、対岸には100メートル流されて着きます。「帰りに水嵩がましてないように。」と、胸で祈ります。
こんなアドベンチャーするのは、サケイの渡りを求めてです。ドライバーが、叫びました。石あらしの中を弾丸のように飛んでいます。唖然!! それも、大きな群れです。ドアを盾に、外で写真を狙います。ガンガン小石が当たります。レンズに当たらない事を願いながら、シャッター。
そんな中をテムジンは、歩き通します。そして逃亡先で、字を習い、三国志などの歴史を学んだのが、彼の戦いの糧となったのです。テムジンは、頭が良かったのですね。たった2年で、中国語の読み書きを修得します。そして、鉄の重要性を心に刻んだのです。(因みに、モンゴルでは、石炭は地表にむき出しな程、豊富です。ウランバートルの四隅の大きな煙突から、一日中、モクモクと煙が出ています。) ◎
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